印刷の注文をしてみると、不思議に思うことが多々あるものです。例えば同じデータを渡しているはずなのに、改版などで何故色が変わることがあるのかも、そのひとつとなります。これはオフセット印刷機でインキを使用する以上は不可避となる課題です。インキはその粘度によって、紙への転写の具合が変わるものです。

例えば夏場はインキが柔らかくなるために、網点が潰れやすく色が濃い目に出ることになります。逆に冬場はインキが硬くなることで網点の付きが悪くなり色が薄めとなります。梅雨時は湿気が多く、インキが流れやすくなることから滲んだ感じになります。このように季節によって色が変わるのは避けられないものとなります。

それをいかに上手くコントロールするかは職人の技術となります。また室内を外気の影響を受けにくくすることも必要となります。湿度も5%変わると色合いが変わります。かなりシビアに空調管理することが求められます。

また、注文する際に心得ておくことは、再現しにくい色があるということです。まずシンプルながらに色が転びやすいのがモノクロです。赤っぽくなったり青っぽくなったりと、なかなか希望通りのモノクロが出ないケースもあります。かといって墨色一色では深みが出なくなります。

またパステルカラーのような淡い色合いも、なかなか難しいものです。同人誌やイラストなどの印刷でイメージの色が出ないと嘆く人も多いものですが、インキの特性などが原因となるわけです。プリント基板のことならこちら